ふたたび、ソフトウェアが4子局でトッププロに勝利

Zenが武宮正樹九段に4子局で勝利した昨年に続いて、今年はCrazy Stoneが石田芳夫九段に4子局で勝利してしまいました(Zenは石田芳夫九段に4子局で敗北)。

第1回電聖戦

B008ENQ7YS昨年のZenの勝利は、Zenの商用パッケージである天頂の囲碁4のいい宣伝になったことでしょう。

B007C71HE2今年のCrazy Stoneの勝利も、Crazy Stoneの商用パッケージである最強の囲碁2012の宣伝になるといいですね。

私はどちらにも勝てません。

ファイアーエムブレム 覚醒

B006QGGOGQシンプルなゲームが、そのために人生を費やす人の存在を許容するほどのものになる幸運を、現代のゲーム開発者は夢見ることができるのでしょうか。チェスや将棋、囲碁などにルーツをたどれるようなゲームの開発者にとって、「無駄なものをそぎ落とし、それ以上削るものがなくなったときが完成だ」というのはずいぶん酷な話だと、「ファイアーエムブレム 覚醒」をやって思いました(難易度はもちろんノーマル)。

金環日蝕にあわせて『天地明察』が文庫化

2012年5月21日は日本のかなり広い範囲で金環日蝕が観られることになっています。

国立天文台によれば、

日本の陸地に限ると、金環日食が観察できるのは、1987年9月23日に沖縄本島などで見られた金環日食以来のことです。次回も2030年6月1日に北海道で見られる金環日食まで、18年間起こりません。非常に珍しい現象と言えるでしょう。(2012年5月21日に起こる日食の概要

ということです。

こういうことがちゃんと計算できるのがすごいところですが、それでもまだ人知の及ばない部分があり、金環日蝕が見える地域と見えない地域の境界は、日本とNASAでは違う予測になっているようです。

兵庫県のJR西明石駅周辺ではNASAの予測だと金環日食として見えるが、国立天文台の予測だとドーナツ状ではない部分日食となるという。(金環日食めぐる日米対決に注目! 国立天文台とNASAで「限界線」の予想で食い違い ニコニコニュース

人類はずいぶん古くから、正しい暦を作るために、あるいは知的好奇心から、天体の運動を正確に観測し、予測することに膨大な労力を注いできました。そういう歴史の中でも、皆既日蝕や金環日蝕はいつも変わらず最大級の注目を集めてきたことでしょう。太陽系内の比較的大きな天体の運行についてはだいたいわかってきた現代においても、そのハイライトに関してまだわからない部分があり、自分たちの予測が当たることを(その余地があるかどうかはともかくとして)祈っているであろう科学者がいることを思うと、胸が熱くなります。(わからないのは「太陽の大きさ」という、暦にはあまり影響の無いことではありますが。)

4041003180最近文庫化した、冲方丁『天地明察』(角川書店)にも、暦の優劣の決着を、蝕の予測の当たり外れでつけるという話が綴られています。秋には映画化も控えているようなので、内容を細かく紹介することはしませんが、この小説が多くの支持を獲得しているのは、暦の作成という、たいていの人は考えたくもないような細かいことを、人生をかけて追求すること、それが単なる知的好奇心だけからなるのではなく、地位・名誉・愛など、いわゆる人間らしいものと切り離さずにうまく描かれているからではないでしょうか。

4041002923『天地明察』は、暦・数学・囲碁が3本柱になっていて、どれか一つでも興味がある人は楽しめること間違いなしの小説なのですが、小学生だったときにインドネシア(?)の日蝕を観に行くことをかなりまじめに検討していたり(実現はしなかったけれど)、一応理学部天文学科卒で、プログラミング言語のカレンダーを解説するライターであったり(例:PHPにおける日付と時刻の混乱1秒にかける思いWebアプリの入門書にさえも日時処理の項を書いてます)、『月刊 大学への数学』に1年間欠かさず名前を載せた「遅れてきた数学少年」だったり、NHK囲碁トーナメントの対局をほとんどすべて観ている囲碁好きだったりする私は、人の3倍くらい楽しんでいるのではないかと思っています(ブログまで書いて)。

話を明日の勝負に戻すと、金環日食限界線共同観測プロジェクトなどというものもできて、ウェブと位置情報端末が普及した現代ならではの楽しみ方ができるようになっているのはさすがです。

0521702380数学とプログラミングが好きな人は、こんなところにも人生の楽しみを見いだせるかもしれません。

Nachum Dershowitz, Edward M. Reingold『Calendrical Calculations』(Cambridge University Press, 第3版, 2007)

それが、先人がうらやむような人生の楽しみにつながるかどうか、そのあたりも勝負でしょうね。

コンピュータが囲碁トッププロに四子局で勝ってしまった

2008年にスパコンと(トップではない)プロが対戦したときは、9路盤で引き分けたものの、19路盤ではハンデを最大(9子局)にしても勝負になりませんでした(当時の記事)。

それから4年経ち、ハンデを大幅に減らした対局(19路盤4子局)で、コンピュータがトッププロ(武宮正樹9段)に勝ってしまいました。対局の様子はニコニコ生放送で配信されましたが、視聴者は6万人を超えていたようです。私もその一人でした。

特別イベント『コンピュータ囲碁がプロ棋士に挑戦!』

モンテカルロ法という、ランダム(もちろん枝刈りは必須ですが)な着手で対局をシミュレートし、勝率の高かった手を選ぶ方法を発明し、その使い方がうまくなってきたことが勝因でしょう。

囲碁プログラムもはや、アマチュアの全国大会クラスになっているということなので、最近私がコンピュータに勝てないのも納得です。

B005KDG31M今回対戦したプログラムZen(の祖先)は、すでに「天頂の囲碁4」という製品に搭載されて販売されているので、興味のある人は試してみるといいでしょう。最新版はアマ4段相当の「天頂の囲碁3」ですが、アマ2段相当の初代「天頂の囲碁」なら、安いパッケージもありますね。アマ3段相当のPS3版もあります。

「最善手を知る」のはおそらく無理なので、確率的な手法しかないだろうとは思いますが、ハードウェアげ進歩すれば現行のモンテカルロ法でトッププロにハンデ無しで勝てるのか。その答えを知るのは、そんなに遠い未来ではないのかもしれません。

将棋の人間側は日本将棋連盟、コンピュータ側は情報処理学会、囲碁の人間側は日本棋院、コンピュータ側は人工知能学会でした。囲碁には関西棋院もあるのですが、何か思うところはあるのでしょうか。学会はたくさん残っています。

最高のビル経営者になる

かつての学生に勧められて、ゲーム「The Tower」を試しました。数時間かけて「Tower」の称号を手に入れたときには、体が痛くなっていました。iPadは細かい作業には向いていないと思います。

The Tower

ザ・タワー (ゲーム)(ウィキペディア)

『Tower 公式パーフェクトガイド』で、生みの親である斉藤由多加さんは、

20世紀のうちに(といってもすぐですが)『Tower』はインターネット対応になってゆきます。(中略)『Tower』はもはやゲームではなく、「環境」になってゆくんです。

と言っていましたが、まだそうはなっていないようです。

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