R for Windowsのビルド方法

統計やデータマイニングのためのソフトウェアのデファクトになりつつあるR。久しぶりにメジャーバージョンアップしたそうです(3.0.0)。いい機会なので、Windows上でRをビルドする方法を書いておきましょう。Linuxだと何の苦労もなくビルドできるのですが、Windowsだとちょっと作業が必要です。

R 3.0.0を例に説明します。

  1. コマンドtarが無い場合のみ:ビルドするためのツールを集めたRtoolsをインストールします。ビルドしたいRのバージョンにあったものを選んでください(ここではRtools30.exe)。
  2. Rのソースコード(ここではR-3.0.0.tar.gz)をダウンロードします。
  3. ソースコードを適当なディレクトリに保存し、コマンドプロンプトをそのディレクトリで開きます(ディレクトリを右クリックするのが簡単ですが、コマンドプロンプトを起動してからそのディレクトリに移動してもかまいません)。
  4. ソースコードを展開します。ここでは「tar xf R-3.0.0.tar.gz」です。展開してできるディレクトリ(ここではR-3.0.0)がSource Home Directoryになります。
  5. Rtoolsを再インストールします。途中でExtras to build 32 bit Rを選択し、Source Home Directoryも適切に指定してください。
  6. とりあえず「set LC_ALL=C」として、Cロケールにしておきます(正解がよくわかりませんが、何も指定しないとビルドの途中でエラーになります。src/library/tools/R/translations.Rに非アスキー文字があるのがいけないようです。実体参照?で書けばいい?)。
  7. set TMPDIR=C:\tmp」として作業ディレクトリを設定します(書き込み可能なディレクトリを指定してください)。
  8. make all recommended

bin/i386/Rgui.exeをダブルクリックするとRが起動します。

OpenCLに対応するデバイスの列挙(C言語・Mathematica)

GPUをグラフィック処理ではなく汎用計算に利用しようというGPGPUのためには、CUDAかOpenCLを利用するのが一般的です。NVIDIA的には、CUDAはGPGPUの開発環境であり、プログラミング言語としてC for CUDAかOpenCLを選べる、つまりCUDAはOpenCLの上位概念らしいのですが、一般にはCUDAとOpenCLは対立するものとして認識されているような気がします。

CUDAはNVIDIAのGPUにしか対応していないのに対して、OpenCLはNVIDIAのGPUとAMDのGPU、IntelとAMDのCPUにも対応しているので便利です(対応していないGPUやCPUもあります)。

IntelのCPUとHD GraphicsでOpenCLを利用できるようにする、Intel SDK for OpenCL Applicationsの新版(2013)が出たので、ちょっと使ってみます。

OpenCLに対応したデバイスを列挙することで、複数のデバイスに対応しているというOpenCLの特徴を確認してみましょう。規格で定まっているわけではないようですが、複数のOpenCL環境をインストールしているときには、複数のOpenCLプラットフォームがOpenCLのAPIから認識できるようになるようです(後述の参考書p.71)。

実行するためには、以下のいずれかが必要です。

4844331728開発は、WindowsとGNU/Linux、Macのいずれでも可能です。株式会社フィックスターズ『OpenCL入門 1.2対応 マルチコアCPU・GPUのための並列プログラミング』(インプレスジャパン, 改訂新版, 2012)サポートサイト)などを参考にすると、開発環境を比較的簡単に構築できます。(参考:Visual Studio + Intel SDK for OpenCL

適当な開発環境を用意したら、以下のプログラムをビルド・実行します(RSSリーダーでは見られないかもしれません)。

OpenCLの実装は複数のプラットフォームを認識できるものになっているので、上のコードでは、プラットフォームを列挙しつつ、各プラットフォームが持つデバイスを列挙しています。

私のデスクトップPCでの実行結果はこんな感じです。プラットフォーム毎にデバイスが1つあるというわかりやすい構成です。

Platform: NVIDIA CUDA
CL_PLATFORM_VERSION: OpenCL 1.1 CUDA 4.2.1

  Device: GeForce GTX 580
  CL_DEVICE_VERSION: OpenCL 1.1 CUDA
------------------------------------------------------------------------------
Platform: Intel(R) OpenCL
CL_PLATFORM_VERSION: OpenCL 1.2

  Device: Intel(R) Core(TM) i7 CPU         950  @ 3.07GHz
  CL_DEVICE_VERSION: OpenCL 1.2 (Build 63463)
------------------------------------------------------------------------------

私のノートPCでの実行結果はこんな感じです。2番目のプラットフォームにはデバイスが2つあり、そのうち1つは1番目のプラットフォームのデバイスと同じという、わかりにくい構成になっています。

Platform: AMD Accelerated Parallel Processing
CL_PLATFORM_VERSION: OpenCL 1.2 AMD-APP (923.1)

  Device:       Intel(R) Core(TM) i7-3612QM CPU @ 2.10GHz
  CL_DEVICE_VERSION: OpenCL 1.2 AMD-APP (923.1)
------------------------------------------------------------------------------
Platform: Intel(R) OpenCL
CL_PLATFORM_VERSION: OpenCL 1.2

  Device:       Intel(R) Core(TM) i7-3612QM CPU @ 2.10GHz
  CL_DEVICE_VERSION: OpenCL 1.2 (Build 63463)

  Device: Intel(R) HD Graphics 4000
  CL_DEVICE_VERSION: OpenCL 1.1
------------------------------------------------------------------------------

プラットフォームについて得られる情報は、http://www.khronos.org/registry/cl/sdk/1.0/docs/man/xhtml/clGetPlatformInfo.htmlにまとまっています。

デバイスについて得られる情報は、http://www.khronos.org/registry/cl/sdk/1.0/docs/man/xhtml/clGetDeviceInfo.htmlにまとまっています。

Mathematicaなら、すべての情報を以下の2行で得られて便利です(参考:OpenCLInformation)。

Needs["OpenCLLink`"]
OpenCLInformation[]

Visual Studio + Intel SDK for OpenCL

IntelのCPUおよびHD GraphicsでOpenCLを利用するためのIntel SDK for OpenCL Applicationsの新版(2013)が出ました。

Windows上でのOpenCL開発には、Visual Studioを使うのが簡単です。手元のVisual Studioで試したところ、

Visual Studio 2010 Professional
高価なのが問題のVisual Studio 2010 Professionalが最も簡単でした。Visual Studio 2010 Professionalをインストールした後でSDKをインストールすると、OpenCL専用のプロジェクトを作成できるようになり、そのプロジェクトの中でCのコードを書いて、そのままビルド・実行することができました。
Visual Studio Express 2012 for Windows Desktop
無料で使えるVisual Studio Express 2012 for Windows Desktopはちょっと面倒でした。Visual Studio Express 2012 for Windows Desktopをインストールした後でSDKをインストールするときには、「Integrate with Visual Studio 2012 Software」は無効にした方がよいようです。デフォルトは有効ですが、そのままではSDKをインストールできませんでした。OpenCL専用のプロジェクトは作れませんが、ふつうのWin32コンソールアプリケーションを作成して、以下の準備をすることで、ビルド・実行できました。

  1. Cのコードを書く。
  2. プロジェクトのプロパティ→構成プロパティ→C/C++→追加のインクルード ディレクトリの欄に「$(INTELOCLSDKROOT)\include\」と入力する。
  3. リンカー→全般→追加のライブラリ ディレクトリの欄に「$(INTELOCLSDKROOT)\lib\x86\」と入力する。
  4. 入力→追加の依存ファイルの欄に「OpenCL.lib」と入力する。

ちなみに、Intel SDKではなくCUDA Toolkitを使う場合、追加のインクルード ディレクトリは「$(CUDA_PATH)include」、追加のライブラリ ディレクトリは「$(CUDA_PATH)lib\Win32」などになります。

Visual C++ 2010 Express
無料で使えるVisual C++ 2010 Expressはだめでした。上述のExpress 2012と同様にSDKをインストールしてプロジェクトのプロパティを設定しても、ビルドすることができませんでした。(SP1が入っていなかったのが原因かもしれませんが、SP1を入れようとしてもエラーが発生してだめでした。2012があるので、それ以上追求せずにあっさりあきらめました。)

4844331728株式会社フィックスターズ『OpenCL入門』(インプレスジャパン, 改訂新版, 2012)を参考にしました。

適当なサンプルを後で紹介します。

PECL/oauthの導入方法

PHPでOAuth認証をするクライアントを実装するための最も標準的な方法であるはずの、PECL/oauthの導入方法を紹介します。

Ubuntuの場合

まず、以下のコマンドで必要なパッケージをインストールします。

sudo apt-get install apache2 php5 php5-dev php-pear libpcre3-dev make
sudo pecl install oauth

次に、/etc/php5/apache2/php.iniに「extension=oauth.so」を追記し、Apacheを再起動します。

phpinfo()の結果に「OAuth」があれば準備完了です。

Windows(XAMPP)の場合

  1. http://windows.php.net/downloads/pecl/releases/oauth/からバイナリ(XAMPP 1.8.1ならphp_oauth-1.2.3-5.4-ts-vc9-x86.zip)をダウンロード・展開して、php_oauth.dllc:/xampp/php/extにコピーする。
  2. c:/xampp/php/php.iniに「extension=php_oauth.dll」を追記する。
  3. Apacheを再起動する。
  4. phpinfo()の結果に「OAuth」があることを確認する。

Mac OS X

「mac pecl oauth」でググればいいかと思います。

このあたりの詳細については、拙著『Webアプリケーション』などを参照してください。

米国製の計算機と日本製の計算機の違い

AppleとSonyの一番の違い part IIという記事を見て、「なるほど」と思ったのですが、こういう「たとえ」を使わなくても、そのままずばりのわかりやすい例がありました。

「高さが3の正三角形の面積は?」と訊かれたら、たいていの人は答えられると思いますが、ウェブで検索するより早く答えられる人は少ないでしょう。実際に、ウェブで解決しようとするとき、米国製の計算機と日本製の計算機、どっちを使いますか?

米国製の計算機

日本製の計算機

米国製の計算機、WolframAlphaの場合

「equilateral triangle height=3」と入力すれば答えが得られます。簡単に答えがわかるのはもちろん、結果のURLが得られるのもいいですね。

日本製の計算機、高精度計算サイトkeisanの場合

  1. 「数学・物理の計算」をクリックする
  2. 「三角形」をクリックする
  3. 「正三角形」をクリックする
  4. 入力指定を「高さ」にする
  5. 高さを「3」にする
  6. 「計算」ボタンをクリックする

これでやっと答えが得られます。初めて行く人は、どこに何があるかがわからないので、「手で計算した方が早い」ということになるでしょう。

keisanがWolframAlphaになる必要はありませんが、「英語がわからなくても大丈夫」以外のメリットを打ち出せるようになるといいですね。