隣の家の少女

459402534Xジャック ケッチャム著, 金子 浩訳『 隣の家の少女』(扶桑社, 1998)

ベランダに放置された少女が、「ここで寝る。おやすみなさい」と言って死んだ事件があった。虐待は絶えない。この小説では、両親を交通事故で亡くした少女が、引き取られた家で虐待され、レイプされ、殺される。虐待を先導するのはその家の女主人で、子どもたちがそれに荷担する。隣に住む主人公の少年は傍観者である。ベランダの少女の心を想像するには足りないが、子どもを精神的に攻撃することの容易さと、傍観者でいることの怖さはうまく書かれている。

2 thoughts on “隣の家の少女

  1. 少女が最期まで気丈で高潔なのは作り話っぽいなと感じました。
    『1984』を知らなかったら、残虐だけど残酷じゃない、なんて感想は抱かなかったかもしれません。

  2. いけ田さん
    まあ、小説ですから。作り話なのはしかたないということで。
    でも、「ここで寝る。おやすみなさい」と言って死んだ少女も気丈なものだと思いますよ。

コメントは停止中です。