ペドロ・G・フェレイラ『パーフェクト・セオリー 一般相対性理論に挑む天才たちの100年』(NHK出版, 2014)(参考文献リストあり・索引なし)
アインシュタインの一般相対論は、宇宙の姿を描いたり、ブラックホールを予言したりと、輝かしい成果を上げてきた。しかし、量子論との統合はできていないし、理論を観測に合わせるための暗黒物質や宇宙定数も、よくわからない事態が続いている。そういう理論の100年を、一般向けに丁寧に解説している(一部神話の領域)。かつて『ホーキング、宇宙を語る』は、出てくる数式を「E=mc2」だけにしてベストセラーになったが、本書に出てくる数式は「2+2=4」のみ(p.113)。
一般相対性理論の黄金時代(60年代から70年代)の終わりに出版された対照的な2冊と紹介されたタイトルがなつかしい(p.299)。
- Misner, Thorne, and Wheeler. Gravitation. W H Freeman & Co (Sd), 1973.(邦訳は2011年)
- Weinberg. Gravitation and Cosmology. Wiley, 1972.
著者自身も登場している本書の副題として、「一般相対性理論に挑む天才たちの100年」はどうかと思う。