文字の食卓

4860112474正木香子『文字の食卓』(本の雑誌社, 2013)

自分が好きなものを好きだと言っておかないと、消えてしまったときに後悔する。インタビューによると、読んでいた雑誌の書体が断りなく変わったことへの「怒り」から立ち上げたサイト「文字の食卓」を書籍化したものだという。音を聞くと色が見える、いわゆる共感覚とは、厳密には違うのかもしれないが、著者の正木さんは、文字を味覚に結びつける。失われつつある写植の書体を中心に選んだ39書体の「味」を綴った(静かな)衝撃のエッセイ。

『鈴木勉の本』(字游工房)に大きな影響を受けているとのこと。参考文献リストなし・索引なし。

好きなものは好きだと言っておく。

ウェブサイトの「"ヒラギノ角ゴ Pro W3", "Hiragino Kaku Gothic Pro", "メイリオ", Meiryo, Osaka, "MS Pゴシック", "MS PGothic", sans-serif」の味も気になる。