システム全体をエミュレートする必要がない場合は、ユーザーモードエミュレーションのほうがいいでしょう。
Raspberry PiのためのディストリビューションであるRaspbianを、Windows上のQEMUで動かす方法を以前紹介しました。
Raspberry PiのためのディストリビューションであるRaspbianを、Ubuntu上のQEMUで動かす方法が、HOWTO: Virtual Raspbian on Qemu in Ubuntu Linux 12.10で紹介されています。
記事では2013-02-09-wheezy-raspbian.imgを使っていますが、2013-09-25-wheezy-raspbian.imgや2014-01-07-wheezy-raspbian.imgでも動作しました(ディスクの拡張のためにWindowsの場合にもやったような面倒な作業も)。「file ~/qemu_vms/2013-02-09-wheezy-raspbian.img
」は「file -k ~/qemu_vms/2013-02-09-wheezy-raspbian.img
」でしょうか。
起動はこんな感じ。(localhost:10022でSSHに、localhost:15901でVNCに接続できるようにしています。)
qemu-system-arm -kernel kernel-qemu -cpu arm1176 -m 256 -M versatilepb -no-reboot -serial stdio -append "root=/dev/sda2 panic=1" -hda 2013-09-25-wheezy-raspbian.img -redir tcp:10022::22 -redir tcp:15901::5901
GUIはRaspberry Pi側でVNC Serverを起動し、ホスト側で「vncviewer localhost::15901
」とすれば(startx
よりこっちが好き)。
SSHでのログインは「ssh -p 10022 pi@localhost
」で行えます。下の画像のように、Raspbianを起動したシェルでそのままログインできるのですが、SSHを使えるようにしておけば、scp
も使えるので便利かもしれません。
背景の理解などには日経Linux『誰でもできる! Raspberry Piで楽しもう』(日経BP社, 2013)が役立ちました。