スマートフォンのつながりやすさに関する調査で、ソフトバンクが1位になったという広告が大量に流れているようです。
なんでも、NTTドコモとau、ソフトバンクのそれぞれ3400, 3700, 5300人に、月間15回、7時から23時までの時間帯でランダムに発信した場合の通話接続率が、順に0.98, 0.981, 0.983だったとのこと。1位になったのはこれが初めてではないようですが、その瞬間にはCMの準備ができていなかったのでしょう。
違いが微少なので、誤差の範囲では?とも思うのですが、ちょっとRで計算してみると、そういうわけではなさそうです。
> trials <- c(3400, 3700, 5300) * 15 > successes <- trials * c(0.98, 0.981, 0.983) > prop.test(successes, trials, correct=F) 3-sample test for equality of proportions without continuity correction data: successes out of trials X-squared = 16.9408, df = 2, p-value = 0.0002096 alternative hypothesis: two.sided sample estimates: prop 1 prop 2 prop 3 0.980 0.981 0.983
石田基広『R言語逆引きハンドブック』(シーアンドアール研究所, 2012)初版p. 386のサンプルは、成功回数と試行回数が逆になっていますね。
とりあえず誤差ではないとしても、調査方法でよくわからないところもあって、なんとも言えない感じですが、「ちょっとうれしいんで、言わせてやってください」と言われると・・・
「つながりやすいソフトバンク」はスマートフォン限定(Slashdot)やソフトバンクの「つながりやすさ、No.1へ」に SNS からは厳しい声も(japan.internet.com)など、言わせてやってあげられない方面からはいろいろツッコミもあるようですが、それらの中にもツッコミどころがあったりして(「本来、このような品質調査の場合は、比較する3社でサンプル数を揃えて違いを探るものである」とか。そもそも「SNS から」っていうのもおかしい)、広告主にとってはかなりうれしい展開になっているようです。
このブログもつながりやすさの向上を目指しています。