+ DESIGNINGが月刊化した。
創刊号「もっと文字を知る、文字を使う」は、書体の選び方とか文字の組み方といった技術的なことではなく、「文字とは何か」のような、より基本的なテーマに重点を置いたものになっている。たとえば、『アジアの本・文字・デザイン』の杉浦康平さんの対談なんかも。
そういえば、古い知り合いから「ずいぶん文字への興味が続いているねえ」なんてことを言われた。「文字に興味が無くなる」なんてことがあるのかどうかはよくわからないけど、出発点はこのへんですよ。
知能の問題とは、心の柔軟性、母親の顔といった知覚対象にある固有不変の性質、またイスとか文字aのように他の似たものとの区別境界が不思議な具合に柔軟でありながら、それでも区別がつくという性質を探求することである。コンピュータが出現するずっと前、すでにウィトゲンシュタインがこのことの重要さに気付いていた。私はこれを強調するために次のテーゼを提唱したい。
AIの中心課題は、「文字aとはなにか?」である。
ドラルド・クヌスがこれを聞いて、「文字iとはなにか?」を付けくわえるといいと教えてくれた。たしかにこれはいい。
AIの中心課題は、「文字aと文字iはなにか?」である。(p.621)
ホフスタッダー『メタマジック・ゲーム』のp.234に掲載されているこの絵が好きで、よく学生にも見せています。(ここでも紹介されている。)