はじめての数式処理ソフト

はじめての数式処理ソフト CD-ROM付 (ブルーバックス) (新書)竹内薫『はじめての数式処理ソフト』(講談社ブルーバックス)

数式処理ソフトを使ったことのない人に、その強力さを垣間見させてくれる入門書。

小説の登場人物にも使わせるほどMathematica好きの竹内さんが、Maximaを題材にした本を出すなんて意外だなあ、と思って読んでみたら、何のことはない。竹内さんはMathematicaで書いていて、それをMaximaに翻訳してもらったとのこと。

ペンローズのねじれた四次元―時空をつくるツイスターの不思議

まあ、Mathematicaは高いからねえ、ブルーバックス読んで興味を持って、ちょっと試すってわけにはいかないし、しょうがないか。「数式処理ソフトを使ったことのない人」向けには十分だと思うよ。実際、『ペンローズのねじれた四次元』の表紙の絵なんかも、Maximaでがんばって描いているし(ちなみに、あの絵はPlotPointsを調整しないで描いているからちょっとおかしくて、ちゃんとやればああいうギザギザにはならない。「調整していない」ということは、前に竹内さん本人から聞いた)。

MathematicaとMaxima、両方使った経験から言うと(と言ってもMaximaはちょっとだけ)、Maximaがフリーソフトウェアだということを考慮しても、Mathematicaに軍配が上がると思う(数式処理ソフトとしてはもちろん、何でもありのプログラミング言語としても)。高いと言っても学生版なら3万円くらいだし(3万円で得られる生産性という意味では驚異的)。

とはいえ、こういうところからMaximaの人気が高まって、びびったWolframがMathematicaの一部でもオープンソース化してくれたらいいなあ、などと思う。ていうか、そういう話があったじゃないですか、どうなったんですか、その後。

Maximaは簡単にダウンロードできるのだから、CDなんて付けないで、その分安くすればよかったのに、と思う。

追記:ついに無料になったMathematica