R2D2の名前に関するトリビア。最近話題になった時、思い出せなかった。また忘れた時のために、ここに書いておく。
これは、Dennettによる、「フレーム問題」を説明するための例で、ファイファー, シャイアー『知の創成』(共立出版, 2001)で紹介されてい(p.63)。翻訳が出たのは10年前だが、いい教科書だと思う。「ロボットが好き」とか言う人は、一度こういうルートを通ってほしいものだ。
ロボットたち
略称 | 名称 | 運命 |
R1 | robot | 死 |
R1D1 | robot-deducer | 死 |
R2D1 | robot-relevant-deducer | 死 |
タスク
部屋にバッテリーと爆発寸前の爆弾が乗ったワゴンがある。ロボットは、この部屋からバッテリーを持ってこなければならない。
運命?
- R1
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- 「(バッテリーの乗った)ワゴンを部屋から出すという行動が、結果的にはバッテリーを部屋から出すことになる」という仮説を立てた。
- ワゴンを部屋から出すことに成功。
- 爆弾もワゴンに乗っていたため爆死。
- R1D1(直接的な帰結だけでなく、副次的な帰結も認識できるように推論する)
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- R1同様、ワゴンを部屋から出すことを思いついた。
- 推論メカニズムによって、その行動により引き起こされる帰結の関連を考え始めた。
- ワゴンを出しても壁の色は変わらない。
- ワゴンを出すと、ワゴンは静止しているときよりも車輪が多く回る。
- ・・・
- 爆死
- R2D1(副次的な帰結のうち関連のない帰結は無視する)
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- 膨大な帰結の中から無関係なものを無視すべきもののリストに加えつづける。
- 爆死
じゃあ、R2D2 (Reel Two, Dialog Two)は?
ちょっと前に、一般向きの『知能の原理—身体性に基づく構成論的アプローチ』も出ていた。