大きい数を表す方法なら、私もいくつか知ってる。
SteinhausとMoserの記法
9を囲む(9を囲む(9を囲む9角形)角形)角形
ここで、nを囲むd角形とは、
nを囲むd個の(n-1)角形(d>3のとき)
nのn乗(d=3のとき)
この記法はデービス & ヘルシュ『数学的経験』で紹介されている(p.133)。
2を囲む4角形
=2を囲む2つの3角形
=4を囲む3角形(2を囲む3角形は2^2=4だから)
=4^4
=256
2を囲む5角形を調べれば、この記法の強力さがわかるだろう。
べき乗表現
9と9の間に↑を(9↑9)個並べたもの
(↑はたくさん書くこともできるから、問題には文字の種類と文字数の制限が必要。)
ここで、
x↑n=xのn乗
x↑↑n=x↑(x↑(…↑x)…)(右辺にxはn個登場)
(左辺に↑が2個以上ある場合、右辺には↑を1つ減らしたものをn個登場させる。)
この記法はパウンドストーン「ライフゲイムの宇宙」(日本評論社, 2003)のp.91やクヌース「コンピュータ科学者がめったに語らないこと」(エスアイビー・アクセス, 2003)のp.169で紹介されている。
10↑10=10^10
10↑↑10
=10↑(10↑(…↑10)…)
=10^(10^(10^(10^(10^(10^(10^(10^(10^10))))))))
10↑↑↑3を調べれば、この記法の強力さがわかるだろう。ちなみに10↑↑↑↑3をKnuthは「スーパーK」と呼んでいる。
どちらが大きいかはすぐにはわからないが、9^(9^(9^9))よりははるかに大きい。
階乗のような記号はいくつでも書けるというのは間違い。具体的に書く場合には、その文字数はこの宇宙の資源で制限されるし、抽象的に書く場合でも、それは9を使って表現できるものでなくてはならないのだから。
バウアーズの演算子やグラハム数、フリードマンのツリー数列など、もっとすごいものが『マスペディア1000』で紹介されている。