初版発行から100年後の翻訳。
引用の引用:
かれは書家としての立場から、あえてタイプ・デザインには手を出さなかった。せいぜい金属活字父型彫刻師(パンチ・カッター)に文字の品質についての助言をする程度だったとおもわれる。ところが真っ先にあった反響は意外にも印刷活字のデザインとその鋳造界からであった。(p.15)
昨今の巷には雑多な書体が蔓延している。文字の専門家たちは、これらの雑多な書体はかつて存在していた単純明快で普遍的な書体デザインの規則にまったく適合しないと指摘している。こうした文字の専門家の主張が広く一般に浸透していけば、この近代文明からいかに多くの醜悪な書体が駆逐されることだろう!(p.22)