ハシゴ高とクチ高とフォント「かづらき」

いわゆるクチ高(U+9AD8ハシゴ高(は、Unicodeでは区別されていますが、JIS X 0213では区別されていません。

これらは同じ文字なので、文字コードで区別するべきではなく、書体によって使い分けるべき(明朝体ではクチ高、楷書体ではハシゴ高)だということを、拙著『Webアプリケーション構築入門』に書きました。この本には、ウェブアプリ開発において知っておくべき文字コード関連の話題を集めた章「文字コード」があるのですが、この章を評価して、教科書として採用してくださる大学の先生もおられます。

高島屋百貨店は、看板には「ハシゴ高」を、ホームページでは一部例外を除いて「クチ高」を使っています(p.185)

一部例外というのは、会社概要のことです。

では、実際に書体によって使い分けられるかというと、たいていのフォントはそのようには作られていないため、現実には無理でしょう。本にも次のように書いています。

「クチ高」の位置に「ハシゴ高」の字形が登録されているような楷書体フォントがあればいいのですが、そのようなフォントを著者は知りません(p.186)

楷書体ではありませんが、そのようなフォントがあるということを教えていただきました。西塚涼子さんの「かづらき」です。

モリサワの新正楷書体はこんな感じで、U+9AD8がクチ高、U+9AD9がハシゴ高です。

かづらきだとこんな感じで、U+9AD8がハシゴ高になっています。

どういうわけか、Adobe Store USでは35ドルなのに、Adobe Store Japanでは5000円(今日の為替レートは1ドル=約82円)だという謎のフォントです(ダウンロード販売ですがUSからは買えません)。しかし、ふざけているのは販売システムだけで、フォント自体はとてもいいと思います。