コンピュータの名著・古典100冊

コンピュータの名著・古典100冊石田 晴久 (編・著), 安達 淳, 塩田 紳ニ, 山田 伸一郎(共著)
インプレス ; ISBN: 4844318284 ; (2003/10/29)

表紙に「若きエンジニア<必読>のブックガイド」とある。ここに載っているような本は、読んではいなくても知らない人はあまりいないだろう。そうすると、対象読者は読もうと思って躊躇していた人たちだろうか。

いくら名著・古典と言っても、100冊のうち品切れのものが20冊近くあるのは困る。出版業界の問題でもあるだろうが、選者に配慮が足りないのも事実。国会図書館の使い方が説明されているが、わざわざ国会図書館にまで向かわせるためには紹介文以外にも何か必要なはず。

「歴史・人物・企業」が21冊もあるのに、計算理論の本が1冊も入っていないは残念。歴史を知ることで親しみがわくということはあるかもしれないが、歴史から入るといろんなことに時間がかかっていけない。

最後にお約束の「どうしてあの本がないんだ!」・・・計算は物理過程だという視点のために、『ファインマン計算機科学』は入れてもいいのでは。物理の人なら読んでいる人も多いはず。計算理論の入門にもなる。ここで紹介しなくても誰でも知っているし、読むべき人は読むようなK&Rのかわりに『エキスパートCプログラミング―知られざるCの深層』。UNIXの歴史よりは『UNIXという考え方―その設計思想と哲学』

改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊 (単行本(ソフトカバー))改訂版が出た。