この記事で作るもの:Adobe-Japan1-6の全23058グリフを1ページで (PDF, 5MB)
Unicodeの文字の一覧を作ったのに続いて、Adobe-Japan1-6のグリフの一覧を作ります。自分で作らなくてもAdobe-Japan1のグリフ一覧は、
- The Adobe-Japan1-6 Character Collection (PDF)に掲載されてますし、
- 最高の活字見本『基本日本語活字見本集成』にも掲載されてもいますし、
- Adobe Font Development Kit for OpenType (AFDKO)で簡単に作れもします(作例, 10MB)。
しかし、自分で作れるようになっていれば、全グリフを1ページにといった、自分の好きなレイアウトの一覧表が作れます。
改訂版が出るたびに買っている奥村晴彦, 黒木裕介『LaTeX2ε美文書作成入門』(技術評論社, 第6版, 2013)にも、判型が変わった頃から“Adobe-Japan1全グリフ”が掲載されているのですが、書体が小塚明朝ではなくヒラギノ明朝なので、ここでの目的には適しません。以前書いたように、小塚明朝では区別され、ヒラギノ明朝では区別されない漢字のペアがあるので、ヒラギノ明朝では全グリフにはならないのです。『基本日本語活字見本集成』の著者の一人である小形克宏さんも、ブログで次のように書いています。
このページをより一般的なヒラギノ明朝で組むという話が出たとき、ぼくはかなり強く小塚明朝でなければ信頼性を担保できないことを主張しました。仮にヒラギノ明朝でAdobe-Japan1-5を表しても、それはヒラギノとしての実装解釈を示したにすぎず、仕様制定者の本来の意図が見えなくなってしまいます。Adobe-Japan1は文字コード規格ではなく、あくまでも「グリフ」セットなのですから、小塚明朝のタイプフェイス・デザインを前提とするのは自明の理であり、その意味で小塚明朝で掲載されたことは至極当然と言えるでしょう。『基本日本語活字見本集成本OpenType版』のこと (1)
というわけで、小塚明朝で作ります。
小塚明朝とTeXLiveがインストールされた環境で、「kanji-config-updmap kozuka-pr6n
」として小塚明朝を埋め込めるようにします。Adobe-Japan1-6のCIDは、0から23057まで、間を空けずに使われているようなので、単純な繰り返しをするTeXファイルで一覧を作れます。こうして作った一覧表が冒頭のPDFファイルです(改行の制御に不満があります@doraTeXさんのコードを参考に修正しました)。
自分でもやってみました。小塚明朝で Adobe-Japan 1-6 の全グリフを1ページに。 https://t.co/1VYF6DMi2Z
— Yusuke Terada (@doraTeX) 2014, 8月 3
小塚明朝で Adobe-Japan 1-6 の全グリフを1ページに出力するソースはこちら。ZRさんのSource Han Sans全グリフチャート生成のアレを真似して作成。 https://t.co/1EtoDIu2lY
— Yusuke Terada (@doraTeX) 2014, 8月 3