プロ囲碁棋士とスパコンが対戦


3/22に囲碁のプロ棋士(Catalin Taranuさん、日本棋院五段)とコンピュータが対戦しました

最初のアナウンスはこのあたり? the computer-go mailing listへの投稿

プロ囲碁棋士と大規模スパコン並列型MoGo(フランス)がまもなく対戦?」で観戦方法が紹介されています。数百人が観戦していました。私もそのうちの一人です

公式サイトサイトでは、9路盤3局と19路盤1局となっていますが、結果を見ると9路盤は4局ありますね。最初の3局がいずれも白勝ちだったから、白黒はっきりさせようと思ったのでしょうか(結局9路盤の対戦成績は五分五分でしたが)

19路盤はハンデを最大にしてもまだまだ勝負になりませんね(私はコンピュータに井目で勝つ自信はありませんが)。何か新しいアイデアが無い限りは、もう現実的になっている「将棋で人間がコンピュータに負ける日」の後も、囲碁は当分大丈夫そうです

条件 結果
第1局 Mogo Catalin Taranu 9路盤 コミ7.5目 白中押し SGF
第2局 Catalin Taranu Mogo 9路盤 コミ7.5目 白中押し SGF
第3局 Mogo Catalin Taranu 9路盤 コミ7.5目 白中押し SGF
第4局 Mogo Catalin Taranu 19路盤 9子局 コミ0.5目 白中押し SGF
第5局? Catalin Taranu Mogo 9路盤 コミ7.5目 白半目勝ち SGF

EidoGoを使って再現しました

第1局

第2局

第3局

第4局

第5局?

囲碁と将棋の違い


あえて比べるものでもない気がするけど、1/1の朝日新聞の囲碁の張名人と将棋の森内名人の対談から直接読み取れる囲碁と将棋の違いをまとめておく(括弧は私の補足)。素人目にもまあそんなもんだろうなという話ではあるが、名人の発言だから重みがある。

囲碁 将棋
最も歴史のある棋戦 (本因坊戦) 名人戦
国際戦 あり なし
過去の強豪 現代に匹敵する 現代に匹敵しない
知識の占める割合 非常に少ない (多い)
秒読みで早めに打つこと よくある あまりない
局後に敗因が わからないことが多い わかることが多い
研究について 研究だけで勝負が決まることは少ない 研究が重視される
ゲームをどれだけわかっているか あまりわかっていない 囲碁よりはよくわかっている
ソフトのレベル (5級?) 棋士養成機関の奨励会二段
人口 高齢化 最近子供たちに人気

将棋の名人戦が毎日新聞の主催から、毎日と朝日の共催になったおかげで実現した対談か(移行の是非はともかく)。

追記

地と模様を超えるもの―趙治勲の囲碁世界

過去の強豪が現代に匹敵するかどうかについては、趙治勲さんも『地と模様を超えるもの』の中で書いていた。曰く、

昔の歴代名人より、現代のチャンピオンの方が明らかに強い(p.127)

理由を知りたい人は、実際に読んでみてほしい。かなり詳しく書かれているから、読んで損はないはず。「日本棋院の九段なら二子で十分」(出典忘れた)と言っていた趙先生のことだから、張名人の言う「匹敵」とはちょっと違うのかもしれないが。

関連:梅田望夫さんとガラパゴスチェス(あるいは将棋)

呉清源 極みの棋譜


強すぎた棋聖・呉清源さんを描いた映画。

呉清源さんについては、いろんな人がいろんなことを言っている。公式サイト(リンク切れ:http://www.go-movie.jp/)でも、川端康成「日に新たなる者」や谷崎潤一郎「メモランダム」、坂口安吾「呉清源論」なんかが紹介されていて、まあ、映画の印象もそこで書かれていることとそう違わないんだけど、まだいろいろある。

坂口安吾なんて、けっこう悪く言っているのもあったような気がするし(思い出したら追記する)、川端康成も、囲碁代表作の『名人』にはこんなことを書いている。

今の呉清源さんは、秀哉名人の修業時代のような浮世の苦労はなく、もし碁の天才が名人を越えたとしても、その個人が全体の歴史の観をなすことは、もうないであろう。(p.41)

確かに呉清源さんは、江戸時代から続く本因坊家の最後の名人のような、「囲碁」全体の歴史の観はなさないかもしれない。でも彼は、国家や宗教といった、もっと大きなもののうねりの中で個を輝かせていた。川端康成も登場しているこの映画は、引用したこの一節が表現しているよりは遙かに大きな人間を描いている。

とはいえ、「碁」を観ようと期待していくと、ちょっと残念な気持ちになるかもしれない(公式サイトの碁盤が象徴している?)

地と模様を超えるもの―趙治勲の囲碁世界

呉清源さんの碁について語られたものでは、趙治勲『地と模様を超えるもの』がとても印象に残っている。最強の棋士(タイトル数から言えば史上最強)が、その芸を言葉で語るとなれば、ノーベル賞作家も歯が立たないでしょう。

呉先生はけっして強い碁打ちではなかったかもしれない(中略)呉先生の碁は一つの悲劇かもしれません。また、「かもしれない」ですが、人生の機微にかかわるテーマなので、、断定はできかねます。人生が悲劇でなく、先生の碁そのものが悲劇なのです。(p.136)

そういえば、最近の作家はあまり碁打ちをネタにしない気がする。

趙治勲の詰め碁


B000H2WHJSきれいなお姉さんではなく趙治勲ってところが本格的な感じでいい。実際のところはどうか。

DSのペンは囲碁に向いている。でも、コンピュータ囲碁は弱い。詰め碁ならいけるんじゃないか、というのがこのゲーム。いけてる。かなり楽しい。

不満もある。まず、単純なゲームなのに、メニューが変であり得ないほど使いにくい。それから、シナリオにないところには打とうとするとエラーが出て、それで答えがわかってしまう(これを完全に解決しようとすれば、強い囲碁ゲームを作るのと同じことになってしまうのだからしょうがないのだが、もう少し、がんばれないかな)。あと、万波さんの絵がひどくてかわいそう。

とはいえ、本で詰め碁を解くのに比べればはるかに楽しいから、欠点はあまり気にならない。楽しくたくさんできることを考えれば、便利になることで学習効果が落ちる危険も気にしなくていいはず。

碁の必勝法(ただし5路盤)


コンピュータで解いた結果「黒(先番)の勝ち」

Computer cracks Go game

発表は2002年。5×5 GO IS SOLVED

この事実は前から知られている。

趙治勲『発想をかえる囲碁とっておき上達法』(日本棋院, 1994年)

この本の第2章「スモールワールドで遊ぶ」で5路盤は解決されている。この章は本因坊治勲が間違えた貴重な記録でもある。

5路盤といえば、こんな本も