靴をネタにした作品たち

B00BQA5OOU新海誠『言の葉の庭』(東宝, 2013)

靴職人を目指す少年が、年上のお姉様に靴を作ってあげようという話(らしい)

私が靴を愛するワケ

“靴と女性の魅惑の関係”に迫る、世界初のドキュメンタリー映画(らしい)

4344020677本城雅人『シューメーカーの足音』(幻冬舎, 2011)

ミステリー ← ビスポーク + 英国王室御用達

大事な仕事に行き詰まったらまず靴を磨くべきだ。そうすれば、心の迷いが吹っ切れ、曇った鏡から湯気が取れるように困難が取り除かれていく

4088598229大河原 遁『王様の仕立て屋 サルト・フィニート 25』(集英社, 2010)

仕立て屋さんのマンガだが、この巻のネタは全部紳士靴

ホテルマンは靴を見て客の良し悪しを量るというが靴職人は靴の裏まで見る

4163523804フェラガモ『夢の靴職人―フェラガモ自伝』(文藝春秋, 1996)

あなたの足が変だとすれば、それは靴が悪いからです。(序文)

408879494Xえすとえむ『IPPO 1』(集英社, 2012)

ビスポーク職人を中心にした短編(いい話)集

シンデレラの運命を1足の靴が変えたように

Glenn Gould Bach Edition(38CD+6DVD)

何十枚ものフロッピーディスクで提供されたソフトウェアがCD-ROM、DVDに移行したように、何十枚ものCDで提供される音楽も、そろそろ別のメディアに移行した方がいいと思います。

Glenn Gould Bach Edition

しかし、2008年に約3万円で発売されたグールド、ボックスセット(80枚!)の価格が今大変なことになっているのを考えると、

  • グールド、ボックスセット(80枚!)を持っていない人は、とりあえず買っておいた方がいいんじゃないでしょうか。
  • グールド、ボックスセット(80枚!)は持っているけど映像は持っていないという人も、とりあえず買っておいた方がいいんじゃないでしょうか。
  • グールド、ボックスセット(80枚!)は持っているし、映像も持っているけどレーザーディスクだという私は、とりあえず買っておきましょう。未発表だった映像もあるみたいですし。(レーザーディスクの映像は全部入っているのかなあ。)

この価格なら、一家に一セットだと言ってもいいのではないでしょうか。

追記

Glenn Gould Remastered – The Complete Columbia Album Collection CD版またはUSB版(ハイレゾ)

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注意:輸入盤 USB 2015/12/4発売 『Glenn Gould Remastered – The Complete Columbia Album Collection (USB) 』(8887507475-5)に関するお詫びとお知らせ

ザ・ホワイトハウス 〈シーズン1-7〉 コンプリートDVD BOX(42枚組)

いつも言っていることですが、私が最初にイーガンに打ちのめされたのは「ルミナス」を読んだときです。それは『90年代SF傑作選・下』に収録されたもので、この短編集は他の作家のものも読めてお得ではありますが、「ルミナス」は『ひとりっ子』にも収録されているので、「イーガンだけでいい」というのであれば、こちらを手に取るのがいいでしょう。

「ルミナス」の続編「暗黒整数」が、短編集『プランク・ダイヴ』に収録されています。完成度という点では「ルミナス」に及ばない作品ですが(あれだけの傑作の続編ですから)、ちょっと面白いシーンがありました。

地球外(数学外?)知性体とのコミュニケーションについての人間の会話です。

「取りかえしのつかない真似をしないって信用できる政府がどこかにある? これを悪用しようとしないところが?」

(中略)

「なら募集広告を出せっていうのか?〈必須条件・数論に堪能、マキャヴェリを熟知、『ザ・ホワイトハウス』(七シーズン放送されたアメリカのテレビドラマ)の完全版ボックスセットを所有〉とか?」(p.106)

数論とマキャベリはいいとして、『ザ・ホワイトハウス』ってなんだよと思うわけです。これから長きにわたって読まれるであろうイーガンの作品に、テレビドラマなんていう時事的なものを入れていいのかと。それとも、いい意味でかどうかはともかく、ある程度長きにわたって観られるはずだという思いが、イーガン自身にあったのだろうかと。

後者もありえると思わせるものが、『ザ・ホワイトハウス』にはあります。それを確かめるためのマストアイテム、完全版ボックスセットが出ました。バラで買いそろえていた人の機嫌を損ねそうな価格で。

政治的にはかなりリベラルなドラマで、共和党支持者が楽しめるかどうかは疑問です。ドラマの中の大統領(バートレット)と、それを演じたマーティン・シーンの政治信条はかなり近いようで、最近も、Newsweek 2012年6/13号のインタビューでこんなことを言っていました。

聞き手:『ザ・ホワイトハウス』のファンとして聞きたいが、バートレット大統領なら今のアメリカの停滞ぶりをどう打開する?

シーン:オバマ大統領と同じ政策を取る。オバマは特権を乱用する富裕層に狙いを定めている。

言葉を探して知恵を振り絞る、大統領のためにスピーチを準備するシーンが特に好きです。

Streaming APIで大量のつぶやきをリアルタイムに保存する方法(cURL編)

つぶやきを大量に取得したいときには、TwitterのふつうのAPIではなく、Streaming APIを使います。ふつうのAPIは1時間あたり350回しか使えないので、対象となるつぶやきが、APIを目一杯使って取得できる数を超えるとどうしようもありません。Streaming APIならこのような心配は無用で、条件を設定して一度接続すれば、設定した条件に合うつぶやきを大量に取得できます。厳密に言えば、これは程度の問題でしかなく、Streaming APIでも、すべてのつぶやきを取得できるわけではないのですが、ここでは、「ふつうのAPIに比べれば遙かにたくさん取得できる」と考えてください。

cURLを使うのが簡単です。次のようなシェルスクリプト(stream.sh)を作成し、「bash stream.sh >> result.dat」などとして実行すれば、指定したキーワードを持つつぶやきを、result.datに保存できます(「sudo apt-get install curl」などとしてcURLをインストールする必要があるかもしれません)。

キーワードはURLエンコーディングが必要です(ハッシュは「%23」、OR検索のためのカンマは「%2C」、AND検索のためのスペースは「%20」とすればいいのですが、日本語は現時点では難しそうです)。#iwakamiyasumiと#iwakamiyasumi2のどちらかを含むつぶやきを取得したいときは「%23iwakamiyasumi%2C%23iwakamiyasumi2」となります。

#!/usr/bin/env bash

username=Twitterのユーザ名
password=Twitterのパスワード
keyword=つぶやきをしぼりこむためのキーワード(URLエンコーディングが必要)

url=https://stream.twitter.com/1/statuses/filter.json
while :
do
  curl -d track=$keyword -m 240 -u $username:$password $url
done

240秒ごとにcURLの接続をリセットしています。この方法には、途中で接続が切れても最大240秒待てば自動的に再接続されるというメリットがありますが、リセット時につぶやきを取りこぼす危険や、つぶやきを重複して取得する可能性があります。この間隔(240)を小さくすると、Twitterから接続を断られるかもしれないので注意して下さい。この数字は再接続の最大待ち時間です(参考:Streaming API Concepts)。つぶやきがないときは、30秒ごとに「CR LF」が送信されてくるので、これをチェックすれば切断を検出できるのですが、自分で実装するのは大変なので、あとで別の方法を紹介しましょう。(30秒で2バイトなので、cURLの「-y」や「-Y」では対応できないのが残念です。)

取りこぼしを少なくするためにこのスクリプトは、インターネット環境が不安定な出先ではなく、インターネット環境が安定したサーバで動かしたままにしておくといいでしょう。とりあえず全部取っておいて、あとで必要な部分だけ抜き出すというわけです(抜き出し方はあとで紹介しましょう)。

以下の2点については後で書きます。

  • 接続が切れたときにスマートに再接続する方法Python編で紹介しました)
  • 保存したデータから必要な部分だけを取り出す方法書きました

なぜこういう技術が必要なのでしょう。

Ustreamのような動画配信サービスが登場し、それを活用するジャーナリストの活躍を見ると、「記者クラブメディアが諸悪の根源だ」という状況も少しずつ改善するのではないか、と期待してしまいます(最近の面白かった映像は「読売新聞記者vs上杉隆氏と岩上安身さん」)。たとえば、岩上安身(@iwakamiyasumi)さんが率いるIndependent Web Journal (IWJ)のおかげで私たちは、これまでなら記者クラブメディアの能力不足とフィルタリングのせいで人目に触れずに消えていたであろう映像を見ることができます。

しかし、IWJのUstreamスケジュールを見てもわかるように、その量は膨大で、全部見るのはほとんど不可能です。自分にとって重要な映像がすぐに見つかるようになっていればいいのですが、現在の映像検索技術では難しいでしょう。よくやられるのは映像に付与されたメタ情報(タイトルやタグ)などを使って検索することですが、タイトルはともかく、タグを適切に付けるのもかなりの労力だと思います(Togetterもしかり)。ソーシャルメディア上で推薦システムを動かして・・・ということも考えられますが、自分が見た映像の記録がすべて保存され、活用されるのをいやがる人もいるかもしれません(話がそれました)。

幸運なことに、著名なジャーナリストが配信する映像は、一般的な映像とは違います。特に記者会見の映像には、「tsudaる」というボランティア行為による膨大な文字情報が付随します。これを活用するために、まずはその文字情報を保存しよう、というのが今日のお話。

Ustreamには、動画に対する複数のソーシャルメディアからのコメントをまとめて表示する「ソーシャルコメント」という機能があるのですが、とりあえず、Twitterのつぶやきだけを保存することにします。こういうことの大切さが理解され、Ustreamが保存してあるソーシャルコメント()を使いやすい形で提供してくれることを願います。