大きいGoogle Mapsが見たかったので、タブレットをたくさん買いました

コンセプトはこんな感じです。

タブレットを並べるとこんな感じになります(結局のところ、普段使っているディスプレイのほうが大きいGoogle Mapsが見られるのですが)。

お試しサイトとソースコードをあとで公開します。

追記:お試しサイト1 (AppFog)・お試しサイト2 (Heroku)を公開しました。

追記:コードはここからたどれます。

お約束ですが、Google Mapsをプログラムで操作する方法を基本的なところから学びたいという場合は、拙著『Webアプリケーション構築入門』を参照してください。

カレシの元カノの元カレ・・・をFacebookは知ってますよね

「カレシ、カレシの元カノ、カレシの元カノの元カレ・・・」というちょっと怖い広告がかつてありました。

あの広告が警告していたエイズは怖い病気ですが、もし、もっと怖い、たとえば、潜伏期間は人それぞれ、発症前に治療すれば100%治るが、発症すれば3日で死ぬ、そんな性感染症が発見されたら、すぐに検査を受けたくなりますよね。でも、(未だ収束していない)福島原発事故発生当時のような、「パニックを恐れる」エリートパニックによって、その事実が市民に知らされたときにはもう手遅れ、ということは十分あり得ます。

患者にインタビューしながら感染経路を調べて・・・なんてことをしてもやはり手遅れになるでしょう。

そこで、Facebookを使えないかなあ、とか思うわけです。Facebookでは、ユーザが自分で編集できる基本データに「恋愛ステータス」なる項目があって、交際相手を自己申告できるようになっています。自分の友人の登録状況は、次のアプリで一覧表示できます。

Friends Partner

表示させるには、交際ステータスへのアクセス許可が必要です。下のようなページが表示されたら、「インストール」をクリックしてください(http://www.facebook.com/settings/?tab=applicationsでアンインストールできます)。

私の友人たちの登録状況はこんな感じです。あまり登録していませんね(ウェブブラウザでなら友人以外の情報も見られるのですが、このアプリが利用しているAPIでは自分と友人の情報しか見られません)。

この交際相手、もちろん他人から見られるのは現在の相手だけですが、Facebookのサーバに、過去の相手が保存されていたら面白いですね(情報漏洩を恐れてちゃんと消しておくのが正しいポリシーでしょうが)。

最初に述べたような怖い病気が発生したときに、Facebookはその情報を公開するのだろうか、と思うのです。「公開する」と宣言すれば、人は将来の保険と思って登録するようになるでしょうか。「公開しない」と宣言すれば、情報漏洩を恐れる人も安心して登録するようになるでしょうか。あるいは逆の結果に?

「そういう病気が見つかって初めて過去の恋人たちを登録できるようなフォームが作られるだろうから今は何もしない」という人はまったく冷静ですばらしいです。そのペースで対応できる病気ならよいのですが。

Googleはそのミッションを変更する時期に来ているのでは?

Googleの現在のミッションは、

世界中の情報をアクセス可能にし、人々の役に立てる

だとされています。しかし、この「世界中の情報」に「Googleの検索アルゴリズムの詳細」は含まれていません。「Googleで検索して出てこないものは存在していないに等しい」と言われる時代、Googleのアルゴリズムは世界の成り立ちを決めていると言ってもいい時代です。検索結果に「Googleのアルゴリズム」が含まれていないのなら、それは「世界中の情報」とは呼べないでしょう。近いうちに出てくるということもないでしょう。ミッションはインポッシブルなのです。

Googleも営利企業ですから、自社の優位を保つために秘密を持つのはかまいません。そのこと自体を邪悪だとも思いません。でも、実現する気のないミッションを掲げたままにしておくのはいけません。邪悪です。

ついでに言うと、「アルゴリズムの詳細を公開するとチートされる」という言い方もどうかと思います。単純に「自社の優位を保つため」でいいと思いますが、それでは足りないというなら、せめて「世界中から優秀な人材を集めているが、公開してもチートされないようなアルゴリズムはまだ思いついていない」くらいにしておいてほしいものです。アルゴリズムとデータが分離できないような方式とか、いろいろやりようはあると思うのでがんばってください。

4484111160こんなことを考えたのは、レヴィ『グーグル ネット覇者の真実』(阪急コミュニケーションズ, 2011)を読んだからです。そこで紹介されていたジャック・ロマノス(サイモン&シェスターの元CEO)の発言が、最近のGoogleをよく表していると思います。

「ひたすら理想を追求しているかのような態度を取り、世界の知を拡大することだけが目的なのだと言うくせに、次の瞬間には、自分たちの流儀を受け入れなければ、今回の話はなかったことにすると言う」(p.565)

こんなことを言われない古き良きGoogleが私は好きでした。

http://rickwebb.tumblr.com/post/14467269283/god-i-am-getting-so-fed-up-with-google-this-is

グーグル検索の変化–問われる検索結果の関連性

はてなブックマークAtomAPIをOAuthで利用する方法(Java, scribe-java版)

はてなブックマークAtomAPIの使い方を紹介します。2010年末にOAuthをサポートしたので、ここでもそれを試します。言語はJava、ライブラリはscribe-javaを使います。前にoauth-signpostを使う方法を紹介しましたが、こちらのほうがおそらく簡単です(準備のためにクラスを1つ余計に作らなければなりませんが)。

アプリケーションの登録

アプリケーション登録ページでアプリケーションを登録し、Consumer keyとConsumer secretを取得します。

ライブラリの準備

scribe-バージョン番号.jarとcommons-codec-バージョン番号.jarを使えるようにします(このあたりの詳細については、拙著『Webアプリケーション』などを参照してください)。

APIを定義するクラス

TwitterのようなメジャーなAPIはあらかじめscribe-javaで定義されているので(一覧)、後のコードで「TwitterApi.class」などと書くだけでいいのですが、はてなはそこまでメジャーでもないようで、APIを定義するクラスを自分で作らなければなりません。

import org.scribe.builder.api.*;
import org.scribe.model.*;
import org.scribe.utils.OAuthEncoder;

public class HatenaApi extends DefaultApi10a {

  @Override
  public String getAccessTokenEndpoint() {
    return "https://www.hatena.com/oauth/token";
  }

  @Override
  public String getRequestTokenEndpoint() {
    String scope = "?scope=read_public%2Cwrite_public%2Cread_private%2Cwrite_private";
    return "https://www.hatena.com/oauth/initiate" + scope;
  }

  @Override
  public String getAuthorizationUrl(Token requestToken) {
    return String.format("https://www.hatena.ne.jp/oauth/authorize?oauth_token=%s",
            OAuthEncoder.encode(requestToken.getToken()));
  }
}

TwitterのOAuthと違うのは、どのような権利を求めるかを「score=...」という形で書いておくところです。

Access tokenとToken secretの取得

OAuthでユーザの権利を譲り受けるためのAccess tokenとToken secretを取得します。ここで紹介するコンソール上で行う方法の他に、ブラウザ上でリダイレクトを使う方法もありますが、両者の違いはTwitterの場合などと同じなので、Twitterでの方法を見れば、リダイレクトを使う方法も実現できるでしょう。

先に取得したConsumer keyとConsumer secretを下のコードに埋め込んでください。

import java.io.*;
import org.scribe.builder.*;
import org.scribe.model.*;
import org.scribe.oauth.*;

public class ScribeTokenCreator {

  public static void main(String[] args) throws Exception {
    // プロキシサーバの設定
    //System.setProperty("http.proxyHost", "proxy.example.net");
    //System.setProperty("http.proxyPort", "3128");
    //System.setProperty("https.proxyHost", "proxy.example.net");
    //System.setProperty("https.proxyPort", "3128");

    String consumerKey = ***** Consumer key *****;
    String consumerSecret = ***** Consumer secret *****;
    OAuthService service = new ServiceBuilder().provider(HatenaApi.class).apiKey(consumerKey).apiSecret(consumerSecret).build();

    Token requestToken = service.getRequestToken();
    //System.out.println(requestToken.getRawResponse());
    String authUrl = service.getAuthorizationUrl(requestToken);
    System.out.println("このURLにアクセスし、表示されるPINを入力してください。");
    System.out.println(authUrl);
    System.out.print("PIN:");

    BufferedReader br = new BufferedReader(new InputStreamReader(System.in));
    String pin = br.readLine();

    Token accessToken = service.getAccessToken(requestToken, new Verifier(pin));
    System.out.println("Access token: " + accessToken.getToken());
    System.out.println("Token secret: " + accessToken.getSecret());
  }
}

上のコード実行するとURLが表示されるので、そのURLにブラウザでアクセスしてください。下のようなページが表示されます。scoreの記述によって内容は変わります。この例では、公開・非公開の両方の情報への読み書き権限を要求しています。

OAuthで許可を求められているところ

「許可」をクリックすると下のようなページが表示されるので、表示された文字列を先のコードからのプロンプトで入力してください。Access tokenとToken secretが得られます。

「許可」をクリックした結果

ブックマーク

譲り受けた権利を使って「http://b.hatena.ne.jp/atom/post」にURLをPOSTすれば、そのURLをはてなブックマークに登録できます。例として「http://www.google.com/」を登録するコードは次のようになります。先に取得したConsumer keyとConsumer secret、Access token、Token secretを埋め込んで実行してください。

import org.scribe.builder.*;
import org.scribe.model.*;
import org.scribe.oauth.*;

public class ScribeBookmark {

  public static void main(String[] args) throws Exception {
    // プロキシサーバの設定
    //System.setProperty("http.proxyHost", "proxy.example.net");
    //System.setProperty("http.proxyPort", "3128");

    // これはユーザによらない
    String consumerKey = ***** Consumer key *****;
    String consumerSecret = ***** Consumer secret *****;
    OAuthService service = new ServiceBuilder().provider(HatenaApi.class).apiKey(consumerKey).apiSecret(consumerSecret).build();

    // これはユーザごとに異なる
    Token accessToken = new Token(
            ***** Access token *****,
            ***** Token secret *****);

    // ターゲット
    String target = "http://www.google.com/";
    String xml = String.format("<entry xmlns='http://purl.org/atom/ns#'>"
            + "<title>dummy</title>"
            + "<link rel='related' type='text/html' href='%s' />"
            + "<summary type='text/plain'></summary>"
            + "</entry>",
            target);

    // HTTPリクエスト(POST)
    OAuthRequest request = new OAuthRequest(Verb.POST, "http://b.hatena.ne.jp/atom/post");
    request.addHeader("Content-Type", "application/octed-stream");
    service.signRequest(accessToken, request);
    request.addPayload(xml);
    Response response = request.send();
    
    // 結果の表示
    System.out.println(response.getCode());
    System.out.println(response.getBody());
  }
}

Twitterの場合との違うのは、リクエストボディにXMLを書かなければならないこと、それを送信するためにContent-Typeをapplication/octed-streamにしておくことです。

ブックマークの編集

ブックマークを編集したいときは、上記のPOSTのレスポンス・ヘッダ (Location) に対して、GETで現状を取得し、PUTで新しいデータを送信します。例として、現在のコメントに「♡」を追記するコードは次のようになります(javax.xml.parsers.*とorg.w3c.dom.*、org.xml.sax.*をインポートしておく必要があります)。タイトルははてな全体で共有されるので、よほどの理由がない限りは変更しない方がいいでしょう。

// 編集のためのURL
String editUrl = response.getHeader("Location");

// 現コメントの取得
// HTTPリクエスト(GET)
request = new OAuthRequest(Verb.GET, editUrl);
service.signRequest(accessToken, request);
response = request.send();
System.out.println(response.getCode());

// 結果(XML)の処理
Document doc = DocumentBuilderFactory.newInstance().newDocumentBuilder().parse(new InputSource(response.getStream()));
String comment = doc.getElementsByTagName("summary").item(0).getTextContent();

// コメントの更新(「♡」を付加する)
String newComment = comment + "♡";
xml = String.format("<entry xmlns='http://purl.org/atom/ns#'>"
        //+ "<title>Google 2</title>"
        + "<summary type='text/plain'>%s</summary>"
        + "</entry>",
        newComment);

// HTTPリクエスト(PUT)
request = new OAuthRequest(Verb.PUT, editUrl);
request.addHeader("Content-Type", "application/octed-stream");
service.signRequest(accessToken, request);
request.addPayload(xml);
response = request.send();

// 結果の表示
System.out.println(response.getCode());
System.out.println(response.getBody());

補足

アプリケーションに与えた許可を取り消したいときは、「Myはてな」→「ユーザ設定」→「外部アプリケーション認証」→「外部のアプリケーションから、はてなのサービスを利用する」の順にクリックしてください。「https://www.hatena.ne.jp/はてなID/config/auth/provider」にアクセスしてもいいでしょう。

はてなブックマークAtomAPIをOAuthで利用する方法(Java, oauth-signpost版)

より簡単な方法:scribe-java版

はてなブックマークAtomAPIの使い方を紹介します。2010年末にOAuthをサポートしたので、ここでもそれを試します。言語はJava、ライブラリはoauth-signpostを使います。

アプリケーションの登録

アプリケーション登録ページでアプリケーションを登録し、Consumer keyとConsumer secretを取得します。

ライブラリの準備

signpost-core-バージョン番号.jar とcommons-codec-バージョン番号.jarを使えるようにします(このあたりの詳細については、拙著『Webアプリケーション』などを参照してください)。

Access tokenとToken secretの取得

OAuthでユーザの権利を譲り受けるためのAccess tokenとToken secretを取得します。ここで紹介するコンソール上で行う方法の他に、ブラウザ上でリダイレクトを使う方法もありますが、両者の違いはTwitterの場合などと同じなので、Twitterでの方法を見れば、リダイレクトを使う方法も実現できるでしょう。

先に取得したConsumer keyとConsumer secretを下のコードに埋め込んでください。

import java.io.*;
import oauth.signpost.*;
import oauth.signpost.basic.*;

public class HatenaTokenCreator {

  public static void main(String[] args) throws Exception {
    // プロキシサーバの設定
    //System.setProperty("http.proxyHost", "proxy.example.net");
    //System.setProperty("http.proxyPort", "3128");
    //System.setProperty("https.proxyHost", "proxy.example.net");
    //System.setProperty("https.proxyPort", "3128");

    OAuthConsumer consumer = new DefaultOAuthConsumer(
            ***** Consumer key *****,
            ***** Consumer secret *****);

    String scope = "?scope=read_public,write_public,read_private,write_private";
    OAuthProvider provider = new DefaultOAuthProvider(
            "https://www.hatena.com/oauth/initiate" + scope,
            "https://www.hatena.com/oauth/token",
            "https://www.hatena.ne.jp/oauth/authorize");

    String authUrl = provider.retrieveRequestToken(consumer, OAuth.OUT_OF_BAND);
    System.out.println("このURLにアクセスし、表示されるPINを入力してください。");
    System.out.println(authUrl);
    System.out.print("PIN:");

    BufferedReader br = new BufferedReader(new InputStreamReader(System.in));
    String pin = br.readLine();

    provider.retrieveAccessToken(consumer, pin);
    System.out.println("Access token: " + consumer.getToken());
    System.out.println("Token secret: " + consumer.getTokenSecret());
  }
}

TwitterのOAuthと違うのは、どのような権利を求めるかを「score=...」という形で書いておくところです。上のコード実行するとURLが表示されるので、そのURLにブラウザでアクセスしてください。下のようなページが表示されます。scoreの記述によって内容は変わります。この例では、公開・非公開の両方の情報への読み書き権限を要求しています。

OAuthで許可を求められているところ

「許可」をクリックすると下のようなページが表示されるので、表示された文字列を先のコードからのプロンプトで入力してください。Access tokenとToken secretが得られます。

「許可」をクリックした結果

ブックマーク

譲り受けた権利を使って「http://b.hatena.ne.jp/atom/post」にURLをPOSTすれば、そのURLをはてなブックマークに登録できます。例として「http://www.google.com/」を登録するコードは次のようになります。先に取得したConsumer keyとConsumer secret、Access token、Token secretを埋め込んで実行してください。

import java.io.*;
import java.net.*;
import oauth.signpost.*;
import oauth.signpost.basic.*;

public class SignpostBookmark {

  public static void main(String[] args) throws Exception {
    // プロキシサーバの設定
    //System.setProperty("http.proxyHost", "proxy.example.net");
    //System.setProperty("http.proxyPort", "3128");

    // これはユーザによらない
    OAuthConsumer consumer = new DefaultOAuthConsumer(
            ***** Consumer key *****,
            ***** Consumer secret *****);

    // これはユーザごとに異なる
    consumer.setTokenWithSecret(
            ***** Access token *****,
            ***** Token secret *****);

    // ターゲット
    String target = "http://www.google.com/";
    String xml = String.format("<entry xmlns='http://purl.org/atom/ns#'>"
            + "<title>dummy</title>"
            + "<link rel='related' type='text/html' href='%s' />"
            + "<summary type='text/plain'></summary>"
            + "</entry>",
            target);

    // HTTPリクエスト
    URL url = new URL("http://b.hatena.ne.jp/atom/post");
    HttpURLConnection connection = (HttpURLConnection) url.openConnection();
    connection.setRequestMethod("POST");
    connection.addRequestProperty("Content-Type", "application/octed-stream");
    consumer.sign(connection);

    // POSTによる送信
    connection.setDoOutput(true);
    OutputStreamWriter writer = new OutputStreamWriter(connection.getOutputStream());
    writer.write(xml);
    writer.flush();
    writer.close();

    // 結果の表示
    System.out.printf("%s %s\n", connection.getResponseCode(), connection.getResponseMessage());
    BufferedReader br = new BufferedReader(new InputStreamReader(
            connection.getResponseCode() / 100 == 2
            ? connection.getInputStream()
            : connection.getErrorStream(),
            "UTF-8"));
    String line = null;
    while ((line = br.readLine()) != null) {
      System.out.println(line);
    }
  }
}

Twitterの場合との違うのは、リクエストボディにXMLを書かなければならないこと、それを送信するためにContent-Typeをapplication/octed-streamにしておくことです。

ブックマークの編集

scribe-java版で紹介した方法と同様です(手抜き)。

補足

アプリケーションに与えた許可を取り消したいときは、「Myはてな」→「ユーザ設定」→「外部アプリケーション認証」→「外部のアプリケーションから、はてなのサービスを利用する」の順にクリックしてください。「https://www.hatena.ne.jp/はてなID/config/auth/provider」にアクセスしてもいいでしょう。