Mac OSの進化を追った2冊、『MacOS進化の系譜』と『Mac OS進化の軌跡』。前者はSystem 7まで、後者はその後を扱ったものだが、私がMacを使うようになったのはOS X以降だから、読んでいてもいまいちぴんと来ないものがある。
実際に動かして試せるといいのだが、職場が職場だけに、そういうことには苦労しない(エミュレータもいろいろあるようだが、そのためのROMだって調達できるだろう)。動作するハードウェアを用意できれば、OS自体はAppleが漢字Talk7.5.3を配布しているから、それをダウンロードすればいい(漢字TalkはSystemと呼ばれたOSの日本語版で、最終バージョンは7.5.5。それ以降は「Mac OS」に統一された)。
ちなみに、漢字Talk7.5.3が世に出たのは1996年のことで、この年にはMicrosoft Windows NT 4.0も世に出た(現時点では無償ダウンロードされていない)。よく「MacはWindowsよりいい」と言われるが、それはUIのことであって、Windows NTが実現していたプリエンプティブ・マルチタスクやメモリー保護、マルチユーザ機能をMacがサポートしたのは、1999年のMac OS X Serverから。
こんなかんじ(当時これだけメモリを積んだら、いくらかかっただろう)。
ハードウェアの歴史を追った『Macintosh Museum』によれば、1996年に出ていたのはPerforma 6420のあたり
さて、実際に『Mac OS進化の軌跡』を見ながら漢字Talkをいじった後で、UIについて考えるための材料にはこんなものがある。
- 『Human Interface Guidelines:The Apple Desktop Interface(日本語版)』
- Introduction to Apple Human Interface Guidelines(現代版)
- 『The Windows Interface Guidelines for Software Design: An Application Design Guide (Microsoft Corporation)』
- 「ユーザー インターフェイスを考える」で紹介されているMicrosoftの文書
- KDE User Interface Guidelines
- GNOME Human Interface Guidelines
Linuxの作者Linusによれば、GNOMEは「seems to be developed by interface nazis」とのことだが、はたして・・・
おまけ
もっと古いところを温ねたい向きには、『Apple2 1976–1986』やレボリューション・イン・ザ・バレー―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏がお勧め。『レボリューション』には開発者のノートなんかもたくさん載っている。
もっともっとという向きは、『Apple I Replica Creation: Back To The Garage』でハードを作る