「本当は怖い日本国憲法(404 Blog Not Found)」でも述べられているように、憲法に国民の義務を書くことには疑問があります。憲法の位置づけが曖昧になっている一因になっているのではないかと常々思っていたのですが、手元の『世界憲法集 新版』(岩波文庫 白 2-1)を見てみると、他の国の憲法の中にも国民の義務のようなものがけっこうありますね。
| アメリカ | なし | |
| カナダ | なし | |
| ドイツ | 6 | 子どもの保護及び教育 |
| 12a | 兵役及び代役(男子) | |
| 14 | 所有権には義務が伴う(所有権の行使は公共の福祉に資すること) | |
| フランス | 前文 | (1946年憲法)労働 |
| 2 | (環境憲章)環境の保全と改良に参加 | |
| 韓国 | 31 | 教育を受けさせる |
| 32 | 勤労 | |
| 38 | 納税 | |
| 39 | 国防 | |
| 122 | 国土の利用・開発・保全に関して、国家は国民に義務を課せる | |
| スイス | 59 | 兵役及び代替役務(女性は任意、従事しない男性には課税) |
| ロシア | 57 | 納税 |
| 58 | 自然および環境を保護し、天然の富を大切に扱う | |
| 59 | 兵役・代替的市民奉仕(性別は書かれていない) | |
| 中国 | 42 | 労働 |
| 46 | 教育を受ける | |
| 49 | 計画出産を実行する。父母は、未成年子女を扶養し、教育する。成年子女は、父母を扶養する。 | |
| 52 | 国家統一及び全国各民族団結 | |
| 53 | 秩序遵守 | |
| 54 | 祖国の安全、栄誉、利益を護 | |
| 55 | 祖国防衛の責任、兵役 | |
| 56 | 納税 | |
| 日本 | 26 | 教育を受けさせる |
| 27 | 労働 | |
| 30 | 納税 |
ちゃんとやりたい人は『解説 世界憲法集』(三省堂)の「比較憲法のすすめ」も読んでみるといいかもしれません。
三省堂版と比べると、岩波文庫版には索引があるので、この記事のようなちょっとした調べ物に便利です(というか、索引がない世界憲法集って何なんでしょう)。ただし、三省堂版には岩波文庫版には収録されていない国も含まれています(イギリスとイタリア。イギリスは憲法ではありませんが)。もちろん、全部日本語で電子化されて、プレイン・テキスト形式で利用できるのが理想です。
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