ジョブズの遺志をガン無視した犯人、それは講談社さんアンタだよ!
ジョブズの伝記の装丁が、日本語版だけひどいと話題になっていました(左が英語版・右が日本語版)。
個人的には、原書が1冊のものを分冊で翻訳することに文句を言いたいのですが、そういう重さの話はまた別の機会に。
真犯人は私たち消費者なのではないでしょうか。私たち消費者の好みに出版社が合わせているだけなのではないでしょうか。
似たような本なのに売り上げが全然違う。その原因を分析して、「デザインが派手だった」とか「帯の文句が目を引いた」という結論になる、ということはよくありそうな気がします(確証はありません)。
タイトルでも似たようなことは起きていそうです。邦題のタイトルがあまりに大げさだと思って調べると原題は冷静なものだった、というのはよくあることです。
『世界で一番美しい元素図鑑』の原題は The Elements でした。
『世界でもっとも美しい10の物理方程式』の原題は The Great Equations でした。
『世界でもっとも美しい10の数学パズル』の原題は The Liar Paradox and the Towers of Hanoi でした。
『世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント』の原題は The Complete Idiot’s Guide to Project Management でした。
「世界」にはいろんな意味があるので、もしわかしたら私の解釈が間違っているのかもしれませんが、「日本ではこういう恥知らずなタイトルの方が売れる」という経験則を出版社が持っているのなら、その原因の一部は消費者にあるはずです。
『もっとも美しい対称性』の原題は Why Beauty Is Truth でした。
A Beautiful Mind が『ビューティフル・マインド』という邦題で成功したにもかかわらず、
A Beautiful Math を『もっとも美しい数学 ゲーム理論』という邦題で出してしまうのにはちょっとあきれました(内容は素晴らしい)。ジョブズもよく「最高の」って言っていましたから、ことばに関して言えば、通じるものがあるような気もします。
もっとも、政治家を引き合いに出すまでもなく、日本のことばは「軽い」ものなので(このブログのように)、重要さをアピールするためには、「世界一の」とか「最高の」、「もっとも」といった、重い修飾語が必要になのかもしれません。
恥知らずなタイトルが日本のことばの軽さを表しているのだと思えば、軽やかな気分になれるというものです。ジョブズの伝記の装丁も、そんな軽さの表れと言えるのではないでしょうか。
No related posts.







