まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒三浦 しをん
文藝春秋 (2006/03)

直木賞作家には近づかないことにしているのだけれど、まほろ市を舞台にした小説が直木賞を受賞したとなると、やはり読まないわけにはいかない。

というわけで、まほろ市にゆかりのある人向け。

まほろ市の縁をなぞるように、国道16号とJR八王子線が走っている。私鉄箱根急行線は、まほろ市を縦断して都心部へとのびている。まほろ市民は、これらを「ヤンキー輸送路」と呼ぶ。(中略)おおげさに言えば、まほろ市は国境地帯だ。まほろ市民は、二つの国に心を引き裂かれた人々なのだ。(p.58)

内容はこんな感じ。

不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはないと思う。(p.280)