追悼、マンデルブロ博士


フラクタルの父、マンデルブロ博士が亡くなられたそうです。(Slashdot.jp)

マンデルブロという名を知ったのは、高校生の時にジェイムズ・グリック『カオス―新しい科学をつくる』を読んだ時だと思います。もはや、伝説の人といった感じですが、改めて読み返してみると、けっこう大変な研究者生活だったことがわかります。

そしてこういった研究者たちはみな、マンデルブロの新しい幾何学こそ自然そのものを表す形だと信じ、ひとにもそれを認めさせようと努力していたのである。

その結果彼らは伝統的な数学界、物理学界の両方に、否定しようのないほど強い影響を及ぼしはしたけれども、マンデルブロ自身はとうとうそれらの学界人たちの全面的な尊敬を受けることはなかった。そうは言っても彼を全然認めないわけにはいかなかったのも当然のことだ。ある数学者などはひどい悪夢にうなされて夜中に目を覚まし、震えがなかなか止まらなかったと友人に打ち明けている。その悪夢の中で彼はすでにこの世の人ではなかったが、その耳に突然まぎれもない神の声が聞こえてきたのだ。「ところであのマンデルブロだが、たしかに一目おくべき人間だったのではないかな」(p.201)

学問分野としてのカオスの誕生を描いた、全11章からなる本書の、第4章「自然のジオメトリ」の主役はマンデルブロです。興味のある人は読んでみるといいでしょう(『フラクタル幾何学』(上)(下)が先であることは否定しませんが)

博士の業績として一般にもっとも知られているのは、「マンデルブロ集合」と呼ばれる自己相似的な図形でしょう。追悼の意を込めて、Mathematicaで描いてみます(UMMでも動きます)。

Clear@f;
f[c_] := f[c, 0., 0]
f[_, _, 100] = -1;
f[c_, z_, i_] := With[{x = z^2 + c}, If[2 < Abs@x, i, f[c, x, i + 1]]]

DensityPlot[f[x + y I], {x, -2, 1}, {y, -1.5, 1.5}, PlotPoints -> 100]

中心点とスケールをインタラクティブに変えられるようにすれば、マンデルブロ集合の自己相似性を体験できますが、高精細な画像をリアルタイムに描画するのはちょっと難しいかもしれません。(追記:CUDAで実現しました

Manipulate[DensityPlot[f[x + y I],
  {x, center[[1]] - 10^s, center[[1]] + 10^s},
  {y, center[[2]] - 10^s, center[[2]] + 10^s}],
 {{center, {-0.5, 0}}, Locator},
 {{s, 0, "scale"}, -3, 1}]

追記:WikipediaにすばらしいGIFアニメーションがあります。

追悼、マンデルブロ博士” への1件のコメント

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