若い詩人の衝撃のデビュー

二十億光年の孤独 (集英社文庫 た 18-9) (集英社文庫 た 18-9)

ただし50年以上前

谷川俊太郎さんのデビュー作『二十億光年の孤独』が装いを新たにして復刊

ここにおさめられている詩は、『空の青さをみつめていると』など、いろんなところで読めるようになっているから、全く読んだことがないという人はあまりいないかもしれないけど、一つのまとまった作品として読んでいる人もまた少ないのでは。しかも今回は、自註・私はこのように詩をつくる・私にとって必要な逸脱・自伝風の断片・解説(山田馨)・自筆ノートなんかも収録されていて楽しい。自伝風の断片から、彼の育った環境を想像してみたり

朝刊に、東条首相が朝の散歩の途中で、小学生たちの頭を撫でている写真が出ている。私が感心して眺めていると、かたわらの父がおだやかに、だが苦々しげに「こういうことをやるようになっては、おしまいだ。」というような意味のことを云う。(p.158)

デビューの衝撃はたぶん相当なものだったはず。後に詩のボクシングで谷川さんにKOされることになる詩人・ねじめ正一さんは、こう語っている

まさしく「一九かはたちでこんな詩を書くなんて驚き」というのが世間が期待していたことで、谷川さんは第一詩集でちゃんとそれに答えたわけです。(ねじめ正一『言葉の力・詩の力』 p.43)

山田馨さんの解説にあるデビュー秘話にはかなり驚いた。(まあ、あの奇跡が無くても、彼が世に出ることは時間の問題だったのかもしれないが。)

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